『健康診断』って何するの?
愛猫を家族の一員として迎え入れたばかりのあなた。
喜びと共に、責任も感じていることでしょう。
そう、彼らの健康を守っていかないといけません。
その第一歩として健康診断は最初にやっておきたい第一歩ですね。
しかし、猫の『健康診断』って、実際にどんな検査を行うか知ってますか?
この記事では、初めて猫を飼う飼い主さんのために、健康診断の内容について詳しく解説します。

ところで、なぜ健康診断は大事なのか
必要性に関しては、当然なのですが、隠れた病気が見つかる可能性があるから。
一見、健康そうに見えても、実は血液検査の数値に異常があったり、画像所見に異常がみつかることもしばしば。
究極論としては、
数値や画像に異常が無かったら良かったね👍
って思いましょう。
万が一、何か見つかってしまったら、その事実は変えられないので、たまたま検査して見つかって良かった。
状況が悪化してからじゃ、治らなかったかもしれないもんね!って思いましょう。
だって、猫は自分の調子の悪さを隠すから。
(犬はあからさまに調子悪いアピールする子もいますけどね...)
【いつやるの?いまでしょ!?】
1歳未満
👉「先天的な問題」が隠れているかもしれないので、去勢手術や避妊手術の時に、術前検査(健康診断を含む)でやることを推奨します。
2歳~8歳くらい
👉健康であっても、できれば2年毎にやっておくことを推奨。
突然の病気の際に、健康な時の状態(特に数値)を知っておくことで、異常値が出た時に比較がしやすくなります。
8歳~12歳くらい
👉そろそろ何かしらの問題を抱える子も増えてきます。
2年以上の間は空けずに気になったら検査することを推奨します。
12歳以上
👉腎臓疾患、ホルモン疾患などそこそこ異常も見つかってくる年齢です。
健康そうに見えても毎年、何か異常や気になることがあれば適宜検査をしていくことを推奨します。
・吐く回数が増えた
・トイレに行く回数が増えた
・水を多く飲むようになった
・食べているのに痩せてきた
・太っていたのに急激に痩せてきた
などの症状は、
何か病気が隠れているサインなので、見逃しちゃダメですよ!
『基本的な健康診断の項目』とは?
特に「これ」っていう検査項目は決まっていません。
一般的な動物病院で行う健康診断の項目
・身体検査(これは必須)
視診、触診、聴診
・血液検査(これもほぼ必須だろう)
・レントゲン検査(必須ではないかも)
・超音波検査(個人的には必須)
腹部、心臓
になるかと思います。
何かしらの病的な状態でなければ、上記項目を網羅することで現在の状態のおおまかな評価は可能になります。
以下、それぞれの解説。
身体検査
検査の基本中の基本。
これを軽視する獣医師は失格です!
体重、体温測定を行い、まず全体をくまなく観察(視診)。
顔つき、体型から皮膚や被毛の状態をチェック。
次は触診。
触れる限り口の中や耳の中も見ます。
眼も充血がないか涙が多くないか、瞬膜や結膜が腫れていないか…可能な限り全身を触っていきます。
腫れていないか、痛がらないか。
聴診では心音、呼吸音、消化管の動きに違和感を感じないか聴いていきます。
ここで重要なポイントは、猫の心雑音の聴取はとっても難しいということ。
軽微な心雑音は、周囲の雑音でかき消されてしまい、聴診だけで心疾患を言い当てられるのは、よほど聴診に長けた先生か、雑音の程度が中等度以上の場合になります。
血液検査
年齢に関わらず定期的に数値を測定しておくことを推奨します。
若い子であれば、先天性疾患の有無の評価にも繋がります。
一見健康そうな子猫でも実は正常範囲を大きく逸脱した数値だった…なんてことは時折あります。
中年齢以上でも定期的な検査をしておくことで、数値の高い低いはもとより、ベースになる数値としての評価になります。
突然病気になって血液検査をしたら、ある数値が異常値だった。
そのときに、元々高め(低め)だった数値がより高く(低く)なったのか、その病気で急に高く(低く)なったのかによって、経過や病態などから治療反応の推測に役立つことになります
(慢性症状だから改善に時間がかかる/急性症状だから、治療に反応したら早期に改善する期待度が高い、など)。
高齢の子であれば、腎臓病やホルモン疾患などの罹患率は高くなるので、定期的に数値の変動を把握しておくことを強く推奨します。
レントゲン検査
足が痛そう、歩き方がおかしい、など構造上の問題がありそうであればレントゲン検査は必須ですね。
その他、呼吸に異常や違和感を感じるケース、咳をしているケースも胸部レントゲン検査は必須です。
実は、心臓のシルエットで心疾患がありそうかの評価もレントゲン検査で可能だったりもします。
超音波検査
主に心疾患の評価と、お腹の中の評価です。
心臓のエコー検査では、
肥大型心筋症を始めとした心疾患の有無の評価になります。
特定の純血種などでは、心疾患が遺伝的に高確率となりますので、
個人的には若齢のうちに心臓エコー検査をやっておけると良いと思ってます。
とは言うものの、猫の心臓エコー検査はある程度熟練した技術が必要ですし、猫さん自身が落ち着いてエコーをやらせてくれない、などというハードルも一定程度あるのが現状です。
心臓エコー検査をやりたいけど、なかなかやれない、というジレンマは計り知れません…
腹部のエコー検査は、
慢性的な下痢がある、とか
最近おしっこの様子が…なんて時にやるのが現実的ですね。
健康診断で腹部エコー検査をやって、思わぬものがみつかった、なんてこともたまーーにあります。
あとがき
救急医として仕事していると、
緊急症例であればあるほど普段の状態との比較が大事
って痛感します。
飼い主様側としては、病院嫌いの子を連れて行くハードルと、検査にかかる費用のハードルは、一定数あると思いますが、
病気になってしまったとき、「やっておけばよかった...」と、後悔されてる感想を吐露される現場によく立ち会います。