こんにちは。動物の救急病院で日夜奮闘している獣医のSohey(そーへい)です。
猫と幸せにに暮らしている皆さんに質問ですが、こんな疑問を持ったことはありませんか?
「うちの猫ちゃん、今はどんな気分なんだろう?」
実は、猫の気持ちを知る大きなヒントが、しっぽの動きにあるんです。
今回は、猫のしっぽの7つの動きと、その心理状態について詳しくお話しします。
なぜしっぽで気持ちが分かるの?
猫にとって、しっぽは単なるバランスを取るための器官ではありません。
実は、感情を表現する重要なコミュニケーションツールのひとつでもあるのです。
進化の過程で、猫は他の猫や動物とコミュニケーションを取るため、
しっぽの動きを使うようになりました。
そして、私たち人間との暮らしの中でも、
その習性は変わらず受け継がれているのです。
7つのしっぽの動きと心理状態
では、具体的にしっぽの動きと心理状態の関係を見ていきましょう。
まっすぐ上を向いたしっぽ

心理状態: 友好的、嬉しい、自信がある
猫が尻尾をまっすぐ上に向けているのを見たことはありませんか?
これは、最も幸せで友好的な気分を表しています。
あなたが帰ってきたときや、
ごはんの時間が近づいたときによく見られる動きです。
先端が少し曲がった逆釣り針型のしっぽ

心理状態: とても嬉しい、親愛の情
まっすぐ上を向いたしっぽの先端が少し曲がっている状態です。
これは「とても嬉しい」という気持ちの表れで、
特に飼い主さんに対する深い愛情を示しています。
猫語で「I love you♡」と言っているようなものですね。
ゆっくりと左右に揺れるしっぽ

心理状態: 興味がある、集中している
何かに興味を持っているときや、獲物を狙っているときに見られます。
おもちゃで遊んでいるときにもこの動きが見られることがありますね。
激しく左右に揺れるしっぽ

心理状態: イライラしている、怒っている
ゆっくりとした揺れとは違い、激しく左右に揺れている場合は要注意。
これは猫が怒っているか、非常にイライラしている状態を示します。
この動きを見たら、猫に触ったり近づいたりするのは避けましょう。
少し落ち着くまで、そっとしておくのが賢明です。
ブラシのように膨らんだしっぽ

心理状態: 驚いている、怖がっている
突然の大きな音や見知らぬ存在に驚いたとき、
しっぽの毛が逆立ってブラシのように膨らむことがあります。
これは猫が恐怖やショックを受けている状態を表しています。
このときは、優しく話しかけたり、安全な場所を提供したりして、
猫を落ち着かせてあげましょう。
足の間に巻き込まれたしっぽ

心理状態: 不安、緊張している
見知らぬ場所や初めての状況で、
しっぽを足の間に巻き込むような姿勢を取ることがあります。
これは猫が不安や緊張を感じている表れです。
慣れない環境では特によく見られる動きですね。
地面すれすれに低く垂れたしっぽ

心理状態: 服従、おびえている
しっぽを地面すれすれに低く垂らしている場合、
猫が服従や恐れを感じていることを示します。
他の猫や動物に威嚇されているときなどに見られます。
このような状態が続く場合は、
ストレスの原因を取り除いてあげる必要があります。
しっぽの動きを読み取る際の注意点
しっぽの動きは猫の気持ちを知る重要な手がかりですので
以下の点に注意して観察してみましょう。
他のボディランゲージと合わせて判断する
- しっぽだけでなく、耳の向きや目の大きさ、表情、
体全体の姿勢なども合わせて観察しましょう。
状況を考慮する
- 周囲の環境や直前の出来事なども合わせて判断しましょう。
- 例えば、興奮しているときと怒っているときの
しっぽの動きは似ています。
個体差がある
- 猫によってしっぽの使い方が少し違います。
- 普段からよく観察して、その猫特有の癖を知ることが大切です。
獣医師からのアドバイス
一つの動きだけで判断せず、総合的に猫の様子を見ることが大切です。
愛猫の普段の行動をよく観察して、「いつもと違う」を
見逃さない目を養いましょう。
そして、このよく観察することは
「愛猫の体調不良などにすぐ気付ける」
というメリットにつながります。
しっぽ以外のボディランゲージ
しっぽと合わせて、以下の点も観察すると
より正確に猫の気持ちを読み取れますよ。
耳の向き

- 前に向いている:興味がある、注意を向けている
- 横に倒れている:リラックスしている
- 後ろに倒れている:怒っている、警戒している
瞳孔の大きさ
- 瞳孔が開いている:興奮している、驚いている
- 瞳孔が細い:リラックスしている、眠い
姿勢
- お腹を見せて横たわる / 手足を折りたたんでコンパクトに丸くなる
:リラックスしている - 背中を丸めて毛を逆立てる / 体を低くして耳を後ろに倒す
:警戒している - 首を傾げる:興味がある
- お尻を上げて胸を低くする:遊びたい
Q&A:よくある質問
Q1: 猫がしっぽを噛んだりするのはなぜですか?
A1: ストレスや退屈、あるいは皮膚疾患のサインかもしれません。
毛が抜けたり、血がにじむこともありますので、
頻繁に見られる場合はすぐに獣医師に相談しましょう。
Q2: しっぽが短い猫や、しっぽのない猫は気持ちを表現できないのですか?
A2: しっぽが短い猫でも、他の体の動きで気持ちを表現します。
耳や目の動き、鳴き声などにより注意深く観察することが大切ですね。
Q3: 猫が突然しっぽを膨らませて走り回るのはなぜですか?
A3: 「発作的な走り回り行動」として知られる正常な行動です。
エネルギーの発散や興奮状態を表しており、特に心配する必要はありません。
若い猫や室内飼いの猫によく見られる行動ですよ。
まとめ:愛猫のサインを見逃さないために
猫のしっぽの動きを理解することは、愛猫の気持ちを知る重要な手がかりになります。
しかし、これはコミュニケーションの一部に過ぎません。
大切なのは、
- しっぽの動き
- 耳の向き
- 目の表情
- 体の姿勢
- 鳴き声の変化
これらを総合的に観察する習慣を身につけることです。
なぜなら、体調の変化は、些細な行動の変化となって現れることが多いからです。
普段の様子をよく知っておくことで、
いつもと違う小さなサインに気付けるようになります。
実は、動物病院で「もう少し早く気付いていれば…」というケースの多くは、
飼い主さんが愛猫の行動変化に気付いていなかったことが原因なんです。
獣医師からの最後のアドバイス
猫は自分の体調の悪さを本能的に隠そうとします。
だからこそ、普段の何気ない仕草や行動をよく観察し、
少しでも変化を感じたら、迷わず獣医師に相談してください。
早期発見が、愛猫の健康と長寿につながります。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう!良い一日を!