救急医の目線(猫) 猫のあれこれ 猫の飼い方

猫のストレスサイン:早期発見のポイント

こんにちは。

犬猫の救急病院で日夜戦っている獣医のSohey(そーへい)です。

今回は、猫のストレスについて、
実際の診察室でよくある会話を交えながら解説します。

見逃してはイケないストレスサイン

こんな会話が診察室では良く聞かれます。

うちの子、最近様子がちょっと変なんです…

具体的にはどんな変化ですか?

いつもは甘えん坊ですぐに寄ってくるのに、最近は変な場所に隠れがちで…
でもゴハンは完食してるから大丈夫かなって思ってたんです。

それは要注意サインの可能性もありますね。
猫は本能的に、異変や体調の悪さを隠す傾向があります。
食欲があるからOKとは限りません。

そうなんですよ!
うちの子も以前、食欲はあるから大丈夫だと思って様子をみていたら、ドンドン調子が悪くなって…
あわてて動物病院へ連れて行ったら、検査結果がだいぶ悪かったことがあってわ…
可愛そうなことしちゃったのよね…

早期発見が何より大切なんです!

危険な5つのサイン

では、具体的にどのような行動が危険なサインの可能性があるのか、
以下のやりとりを覗いてみましょう。

トイレの変化

うちの猫(5歳メス)が、突然トイレの横に粗相をするようになったんです。
今まで一度もこんなことなかったのに…

いつからですか?
生活環境の変化や食事の変更はありましたか?

2週間前からです。実は、先月末から一人暮らしを始めました。
それと、私の在宅時間が減ってしまって…

なるほど!
引っ越しによる環境の変化と生活リズムの変化は、猫にとって大きなストレス要因になり得ます。
トイレ付近での排尿は、その場所を認識しつつも何らかの不安を感じているサインかもしれませんね!

・普段と違う場所での排泄(粗相)
・頻繁なトイレ通い(頻尿)
・排泄時の鳴き声(排尿時の奇声)
・血尿

休息場所の変化

1週間前から、急に押し入れの奥に隠れるようになったんです。
呼んでも出てこなくて...

何か思い当たる原因はありませんか?

ちょうど同じ頃、お風呂が壊れて業者さんが連日出入りしてます。

それが原因の可能性が高そうですね。
猫は環境変化にとても敏感なので、慣れない騒がしさがストレスになります。
期間限定で静かで安全な専用スペースを用意することをお勧めします。

え?そんなことも原因になるんですね。
そうしたら元気や食欲が落ちないかも見ていきます!

・いつもの定位置を避ける
・人目につかない場所を選ぶ(隠れる)
・高い場所を避けるようになる

グルーミングの異常

お腹を舐め過ぎて、毛が薄くなってきているんです。
気がつくとずっと舐めていて...

身体的な痒みの可能性もありますが、精神的なストレスでも起こり得ます。
最近の生活に変化などありますか?

最近、実家の母に子どもの世話をお願いするようになったんです。
でも母は動物が苦手で...

生活リズムの変化が影響している可能性がありそうですね。
皮膚の状態を確認させていただきながら、おうちの環境調整も考えていきましょう。

・必要以上にグルーミングをしている
・血が出るまで噛んでいる

社会性の変化

急に手を噛んでくるようになったんです。
触ろうとすると唸るときもあって、怖くて...

痛みがある可能性もありますが、何か不安や強いストレスを感じている可能性も。
環境に変化はありましたか?

先月、新しい保護猫を迎え入れたんです...

なるほど!
新入り猫との関係性がストレスになっているかもしれませんね。

・触られるのを嫌がる、逃げる
・触ると怒る

食欲の変化

急に食欲が落ちたのですか?

いつも食いしん坊なのに、昨日から餌に全く手をつけないんです。
水もあまり飲まなくて...

急性胃腸炎のようですが、吐き気や下痢はありますか?
お腹の症状がなければ、いわゆるストレスも原因になりますが...

そういえば、一昨日から工事で大きな音が...
家の目の前で道路工事が始まったんです。
昼夜工事していて、わたしも若干ストレスに感じます。

突然の騒音はストレスになりやすいですね。
まずは健康状態を確認させていただき、一時的な環境改善策も考えましょう。

・警戒しながら食べる
・いつも以上にあわてて食べる
・コソコソ食べる
・食べない、飲まない

見落としやすい初期症状

初期症状って気づきにくいですよね。

確かに、知らないと気づきにくいことも多くあります。
例えば、"夜間の活動量が増える"というのも見落としがちな初期サインの一つです。

そういえば、うちの先代猫もそんなことがありました。

その他に、以下の変化も見逃しやすいサインです。
些細な変化に気づけるかがポイントですね!

・毛並みの微妙な変化(毛ヅヤ悪化)
・呼吸数の増加
・険しい顔つき
・過食

緊急性の判断基準

どんな場合に緊急性が高いんでしょうか?

猫がストレスを感じ始めてから症状が出るまでにタイムラグがあります。
いつもと比べ"明らかに"様子が違うようなら、すぐに病院受診してください。

・開口呼吸
・突然の脱力やけいれん
・頻回嘔吐や吐血
・突然の水様下痢や血便
・痛みを伴う鳴き声や奇声 など

まとめ

猫のストレスケアで最も重要なことは、普段の様子をよく観察し、変化に早めに気づくことです。

結局、毎日の観察が一番大切なんですね。

その通りです!
気になることがあれば、些細なことでも獣医師に相談してください。
「こんな些細なこと聞いてもよいかな?」っていうことが、
実は大事なポイントだったなんてことはよくある話しです。

今日は具体的なポイントが分かってよかったです。
毎日しっかり観察していきます!

獣医師からアドバイス

猫は非常に繊細な動物です。
わずかな環境の変化でもストレスを感じることがありますが、それは決して飼い主さんだけの責任ではありません。
大切なのは、早めに変化に気づき、適切に対処すること。
愛猫のために、一緒にストレスフリーな環境を作っていきましょう。

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!良い一日を!

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